2016年11月16日水曜日

口説き方 〜失敗例から学ぶ②:信頼関係の構築〜

前回と同様に、今度は別の観点での失敗例を考察したい。

”信頼関係”の構築の重要性である。



今度は、相手を”魅了”できている状態からのスタートだ。



<合コンで出会ったOLと>


純は社会人になり、最低限の身なりは気を使うようになった。

髪は月に一回美容院で切るようになり、爪や眉毛は日頃から整える習慣がついた。

少なくとも合コンやデートの際には、

ヒゲをはじめ、鼻毛や耳毛など、不潔感を出す毛は処理して向かった。

スーツも高くはないものの、セミオーダーで作ってもらったものを着た。

すると、少なくとも身なりを決めた日には小さな自信が湧くようになった。




自分への投資は、手間やお金がかかる。

その分、自分を大切にしている、とも言える。

自分を好きになることは、自信につながる。




そんな中、ちらほら合コンに呼ばれるようになった。

何度目かの合コンで出会ったのが、アリサだった。



好きな映画や出身の地域が同じだったこともあり、自然と会話が弾んだ。

見た目はそこまでタイプではなかったが、

自分でもわかるほど、好印象を与えられていると感じた。

合コン終わりの前に、こっそり連絡先を聞き出した。








LINEで何気ないやりとりを続ける中で、食事を打診した。

ふたつ返事で、あっけない程簡単に日程がフィックスされた。






そして週末の金曜日、お互いの職場が近い新宿で待ち合わせた。

待ち合わせ場所に現れたアリサは、合コンであった時よりも少し可愛く見えた。

純は下心があった。

相手は少なからず自分に気がありそうなことを感じていた。

こんな自分でも、ついに今日こそはイケる気がする!






友人に勧められた、小綺麗な飲み屋に、ふたりは入店した。

初対面での合コンでは自然と趣味の話で盛り上がっていたが、

今回は何を話そう?

思い返せば、女子と話した経験は少なく、女子が普段何をしているのかもわからない。

話題を探すことに必死になった。

今週の仕事はどうだったか、趣味は何か、とか当たり障りのないことを質問した。

単発で繰り出す話題は、あまり膨らむこともなく次々と終了していった。

正直、あまり盛り上がっていないことがわかる。

打ち解けられている気がしない。

そんな中で、二時間ほどして退店時間が来た。



だが、アリサは自分に気があるはずだ!

今日は攻めたい!

「ね、ねえ、良かったら、もう少し一緒にいてくれない?」



アリサは少し迷った様子だが、首を縦に振った。

アリサ「どこに行くの?」

純「いいから着いてきて!」



純は前日に調べていたホテル街へ足を進めた。

いざホテルの前に着いた時、アリサは悲しそうな顔でこう言った。

「そういうのは嫌だ」


出会った日にあれだけ見せてくれた笑顔は、冷たい軽蔑の表情に変わっていた。

ただひたすら、辛かった。





次の日以降、アリサからのLINEは帰ってこなくなった。




今回はワンナイトを狙った話になってしまったが、

例え最後の台詞が、彼女になってもらうための”誠実な告白”だったとしても

結果はNOだったろう。

焦っている様子が見え、ガッツいている男の一人にしか映らなかったろう。







では、何がいけなかったのか?

今回のポイントは”信頼関係の構築”ができなかったことである。




客観的に振り返ろう。




まず、前項で述べた”魅了”という点では、

少なくとも合コンの時点では合格点に達していたという前提で話を進める。




アリサと話が合って盛り上がり、お互い共感出来たこと、

また相手のタイプにちょうどあたったのかもしれない。

これらは運の要素も含んでいるが、

下記二点は確実に努力によるGood geneの加点項目である。

・身なりや服装などの清潔感に気を配ったこと
(少なくとも大きな減点は意識的に潰している)
・上記がトリガーとなり、自分に少し自信を持てていること



さて、ではデートの際の何がいけなかったのか。

待ち合わせに現れたアリサが合コン時よりも可愛く見えたのは、

化粧等に気合を入れてくれたのだろう。

この時点では”食いつき有り”のはずである。

ふたりきりのデートに来てくれた時点で、可能性はあるのだ。



しかし、食事中の会話がいけなかった。

上辺だけの会話しかできず、

お互いの距離を縮めるような効果をなしていなかった。

それに伴い、つまらない男として、Good geneとしての評価も下げてしまった。



アリサとしては純の人柄や、人間性について、

今ひとつ深いところは何も理解できなかったはずだ。

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例えば、自分がバイトの面接に合格し、初出勤したとする。

わからないことだらけだが、たまたま感じの良い社員がおり、

懇切丁寧に説明してくれた。

非常に良い人だ、このような人がいてくれて良かった、これから仲良くなれそうだ。

という印象を抱いた。



二回目の出勤でも、その社員と同じ時間の勤務だった。

まだまだわからないことだらけのため、話すことは仕事内容についてのみだ。

しかし、なんとなく気も合いそうだし、自然と今度飲もう!となった。


帰り時間が同じだったため、一緒に帰った。

途中で純の家の前を通ったところで、その社員がこう言った。


社員「ちょうど良いし、お酒買ってきて純くんの家で飲もうよ!」

純「え!?」


これから仲良くしたい気持ちはあった。

しかし、まだまったく距離が縮まっていない、信頼関係のない状態で、

不意打ちで懐に飛び込まれたので、驚きと相手の図々しさに呆れているのだ。



これと似たような状況なのである。

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二人の距離を縮め、信頼関係を気づくにはどうすれば良いだろうか?

例えば、二人が共感できる話題があるだろう。

合コンの時に盛り上がったのも、共通の趣味を見つけられたためだ。

兄弟の話や、学生時代の話なども、共通項を見つけやすい話題だろう。

その人の育った歴史や、家族構成を理解すると、相手をよく知った気になるものだ。

誰でも、仲の良い友達については、お互いが学生時代に何をしていたか、兄弟はいるのか、当然知っているだろう。




こうしたお互いの理解が進んだ時には、少しマイナスの自己開示をすることも信頼関係を深めるのに効果がある。

例えば、

「自分は今の仕事が好きで、全力で取り組んでいるだが、イマイチ部内の先輩のひとりと意見が食い違うことが多いんだよね。後輩だし俺が妥協すべきなのかな。」など

もちろん、女の子にモテないんだよね、といったよな、

Good geneさを損なうような自己開示は禁物だ。

自己開示をすることで、

相手は「(自分を信じてこんなことを話してくれている。こちらも何か話さないと)」

と感じ、自然とオープンになる。

一般に返報性の法則といわれるものだ。




このように信頼関係を築くことを心がければ、

二時間も食事を共にすれば

”魅了”でもたらした好印象が発展し、心の距離が十分縮まる。

もちろん、Good geneさとGood dadさは、忘れずにこのデート中いたるところで

さりげなく見せていこう。



こうして初めて、最後の”誘惑”の段階に移行する準備が整うのだ。






次回に続く




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